コンテクスト・シンキング その2
- ObokataTakayuki
- 2022年1月2日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年1月4日

コンテクスト・シンキングをどの場面で用いるのか?というところから整理していきたいと思います。それはずばり、”ギャップを埋めるため”に用います。
まず、「現状に何か変化が欲しい」、「もっとより良い結果を得たい」と思っている状態は理想と現実に開きがある状態なので「問題」と表現します。次に、「こうなりたい!」、「そのためには何が必要なんだろう?」と思っている状態は「課題」と表現します。そして、「問題」を乗り越えるために、「課題」をクリアした後の姿を「理想」と表現します。つまり、「問題」を定義し、「課題」を明確にし、「理想」に近付くために用いるのが、コンテクスト・シンキングです。
・問題の定義=コンテクスト・リサーチ
・課題の可視化=コンテクスト・プランニング
・理想への道筋=コンテクスト・アクション このように整理することができます。
変化が必要なくて、課題意識もないのであれば、そのまま平和に、穏やかに過ごせば良いのですが、変化が必要で、課題意識に溢れている時は、どうにかして、周囲の賛同や共感を得るか、すべてのコストとリスクを1人で背負って実現するか、その2択になります。
ですが、現実には周囲を巻き込んでやっていくしかないのが実際です。
インセンティブを与えて、モチベーションをコントロールできれば、共感を起点に実施するか、それとも損得を起点に実施するかの違いはありますが、コンテクスト・シンキングは前者のための視点です。そのためには、どうやって周囲を巻き込むか、どうやって周囲と共にそれに取り組んでいくのか、が必要になり、その方法として、コンテクストに基づいた思考方法を提案しています。
コンテクスト・シンキングを別に言い方で表すなら、論理と感情の共存を目指した思考方法と言えます。
ゴールを共有しているコミュニティは、利害関係が一致するので、論理だけでも議論を組み立てることが可能です。一方で、多様な立場の方々と何かを成し遂げるには、ある一方の論理だけでは解決できないことがあります。多様性を持った集まりにおいては、参加メンバーの利害は一致せず、調整が必要なリーダーシップを発揮する必要があります。そこにいる多様なメンバーの誰もが、賛同するような、そんな“起点”を描けるかどうかが大切です。
さらに、多様な立場のコミュニティの中では、「あいつの言うことを聞きたくない」、「こいつと一緒はいやだ」とか、そのような感情に溢れている場合も少なくありません。この感情を内包しつつ、共感を生み出すためにも、コンテクストを活用していくことをお勧めしています。なぜなら、感情も論理とは違う視点が「コンテクスト」にはあるからです。
参考:「最前線のリーダーシップ」
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