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“プラットフォーム”の推奨

 SCB理論で整理されている「つながりのモデル」と「つながり方」について紹介してきましたが、そうやってつなげて、または、つながっていって、結局はどうするの?どうなるの?というのが、3つ目の特徴である「プラットフォームの推奨」へとつながります。


 地域の活動を「共通の部分」と「固有の部分」に分けて整理します。地域には地域の特徴があり、地域の課題はそれぞれの地域で違う、と言われる方もいますが、SCB理論ではそのようには整理していません。構造をモデル化したり、問題から抽出した課題を抽象化することで、「共通の部分」をプラットフォーム側に、「固有の部分」をアプリケーションとして分けられるとしています。また、最近では、ミドルウェアという中間層を設定することで、3層構造で全体を整理する考え方も推奨しています。


 この場合、地域特有の課題がアプリ、課題の背景にある課題(例えばその土地や人物ならではという地域に起因した特殊事情)がミドルウェア、共通の部分をプラットフォーム、という形で分けます。そうすることで、アプリの変更はミドルウェアが吸収する、プラットフォームの変更はミドルウェアが吸収する、という構造となり、アプリの変更がそのままプラットフォームの変更へとつながらないメリットがあります。ミドルウェアを入れることで、様々な地域や業界に対応できるプラットフォームの設計が可能になります。


 実際に地域での活動にSCB理論を活用している私からすると、一番大切なポイントが「プラットフォーム」だと感じています。共有部分があるか?ないか?という起点の違いは、この後の枝葉に影響があらわれ、全体で見れば全く異なる全体像になるのです。共有部分がないと考えるなら、課題解決型の従来のモデルなので、SCB理論を利用する必要もありません。共有部分があるとなれば、今度はアプリ側に相当するものは何か?を課題を感じる当事者が整理する必要があります。

 実は、「既存の資源を使う」というのがプラットフォーム作りにはものすごく重要です。すでにある資源は誰かが感じた課題を解決するための手段です。その資源の一部、または全部を再利用することができれば、新しく全てを作り直す必要はないですし、このリソースをつながりの中で常に活用できるようにしておくことで、プラットフォームの醸成が可能なのです。


 このほかにもSCB理論には、重要なポイントがあるのですが、あえて端的に整理するなら、SCB理論は、地域資源のつながりで作るプラットフォームの作り方の設計図です。地域資源は隠蔽され、必要なI/Fのみを開示してピア化し、ピア同士を、4つのレイヤーや芋づる式でつなげることで作る、セミピュモデルのつながりの総体が「地域活性化のプラットフォーム」になるのです。

 
 
 

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